矢田寺を後にし、同じ大和郡山市矢田町にある東明寺を目指します。車一台がぎりぎり通れるくらいの細い山道を登っていきます。
 通常東明寺を拝観するには予約が必要ですが、平成二十六年(2014)六月一日から十五日の特別開帳期間に限り事前連絡なしで拝観できます。

◆東明寺 山門
東明寺 山門

鍋蔵山東明寺
【かぞうざんとうみょうじ】


所在地: 奈良県大和郡山市矢田町堀谷2230

宗派: 高野山真言宗

御本尊:
薬師如来

創建: 持統天皇七年(AD693)

開基: 舎人親王


◆東明寺 本堂
東明寺 本堂

 矢田寺と同等の由緒を持つ、矢田の地に古くからある名刹です。江戸時代には矢田の総鎮守・矢田坐久志玉比古神社の神役を矢田寺とともに勤めていたそうです。
 持統天皇が眼病を患った時、舎人親王の夢枕に翁(白鬚明神)が現れて治癒の方法を告げました。親王はそれに従い、霊山に湧く水を金鍋ですくって持統天皇に献上。霊水で眼を洗ったところ眼病は平癒したといいます。
 舎人親王は霊水を汲んだ山に金鍋を埋め、そこに寺を建立します。それが鍋蔵山東明寺です。

 本尊の薬師如来坐像、左右の毘沙門天立像・吉祥天立像はいずれも平安時代の作で重要文化財に指定されています。
 薬師如来は向かって左に体が傾いているとのこと。言われてみれば確かにほんの少し傾いていました。ウェストの引き締まった姿が印象的でした。
 薬師如来の両脇には十二神将が陣取り本尊を護っていました。こちらは少少ずんぐり体型の神将たちです。

 東明寺には「雷様のへそ」なる物があるそうです。寺の境内で雷神が昼寝をしているのを寺僧が見つけ、いたずらでそのヘソを掴んだところ雷神は驚いて雲の上へ逃げて行きます。僧の手には取れたヘソが残っていました。以来、この辺りには雷が落ちなくなったということです。

◆東明寺 御朱印 「薬師如来」
東明寺 御朱印




大きな地図で表示
このエントリーをはてなブックマークに追加