河内西国巡礼 第三番
初日山常光寺
【はつひざんじょうこうじ】


所在地: 大阪府八尾市本町五丁目門前町8-1

宗派: 臨済宗南禅寺派

御本尊:
地蔵菩薩

創建: 奈良時代

開基: 行基菩薩

別称/旧称: 八尾地蔵 新堂寺

御詠歌: いにしえもいまのちのよも常磐ぎに光りてりそうのりのともしび

法語: 随処作主 立処皆真


◆常光寺 本堂
常光寺 本堂

 行基の開創と伝えられる古寺。八尾地蔵の名で知られ、広く信仰を集めてきた。
 本尊の延命地蔵菩薩は小野篁の作とされる。篁は夜な夜な冥府に通って閻魔王の補佐をしたという逸話のある平安時代の人物。寺伝によると、六道の辻で衆生を救う地蔵菩薩に出会った篁がその姿を写し彫ったという。実際の製作年代は室町時代前期と推定されている。

 河内西国霊場は本来観音巡礼であったが、何度かの再編で札所の入れ替えが行われ、現在ではこの常光寺を含め幾つかの札所で観音菩薩以外の尊を拝することになっている。

 慶長二十年(1615)、大坂夏の陣では門前が激戦の舞台となった。討死した藤堂高虎勢の将士七十一名の墓があり、位牌堂(阿弥陀堂)にも七十一士の位牌が祀られている。

関連記事(常光寺と大坂の陣)


◆藤堂家七十一士墓
藤堂家七十一士墓

◆常光寺 御朱印 「願王殿」
常光寺 御朱印


参考文献:
◇『やすらぎの古里 河内西国巡礼 こころの散策ガイド』 河内西国霊場会 2003


大きな地図で表示

仏像の教科書
お寺検定公式テキスト
仏像の教科書

頼富 本宏

エイ出版社 2014-06-25

Amazonで詳しく見る

仏像の実態とその魅力に光を当てた、「お寺検定」仏像級対応テキスト。美術史家が各時代を代表する名像・美像を、仏師が素材・造作法・表現の妙を解説。さらに、日本のお寺に伝わる主な仏像を徹底紹介する仏像図鑑を収録。
このエントリーをはてなブックマークに追加