大空の守護神
大阪国際空港(伊丹空港)に次ぐ関西第二の国際空港を建設する計画が進められる中、神戸北野天満神社の宮司を務める佐藤家の次男として生まれた佐藤匡英氏は、新空港の守護神社創祀を思い立った。
神戸沖・大阪南港沖・淡路島などの候補地の中から泉州沖が選ばれると、空港建設着工に先立つ昭和五十八年(1983)十二月十日、大阪府交野市の磐船神社から迎えられた饒速日命の神霊が泉佐野の地に鎮座ましまされた。
爾来、泉州磐船神社、通称航空神社は関西国際空港、そして世界中の空を守る神として、航空業界関係者をはじめ多くの人の崇敬を受けている。
泉州磐船神社 【せんしゅういわふねじんじゃ】 | |
---|---|
鎮座地 | 大阪府泉佐野市上瓦屋392-1 |
包括 | 単立 |
御祭神 | 饒速日命【にぎはやひのみこと】 |
創建 | 昭和五十八年(AD1983) |
創祀 | 佐藤匡英 |
別称/旧称 | 泉州航空神社 |
饒速日命が航空の神ともされるのは、「天磐船」に乗って空を翔け、地上に降臨したという伝説による。大正四年(1915)創建、京都府八幡市の飛行神社も同様の経緯で饒速日命を交野磐船神社から勧請している。
境内
朱の鳥居には、扁額の代わりに飛行機のプロペラがつけられている。
境内に入ると右に手水舎、社務所。
参道はすぐに左に折れ、右手に茶室「飛雲庵」。裏千家第十五世家元鵬雲斎(千玄室)の命名による。
拝殿に向かって歩くと、右側にヘリコプターが展示されている。本田航空株式会社が奉納した川崎ベル47G-2という機体。
一月の訪問だったので、拝殿の前には立派な門松が。長くのびる竹の葉は紅白に色づけされていた。
拝殿の下は資料館になっており、約四千点の航空関連資料が展示されている。
空の日
泉州磐船神社の例大祭は「空の日」である九月二十日に行われる。
空の日は昭和十五年(1940)に制定された「航空日」に始まる。この年は日野熊蔵・徳川好敏両陸軍大尉が代々木練兵場にて国内初の動力飛行を成功させた明治四十三年(1910)から三十年の節目に当たり、また神武天皇即位紀元二千六百年でもあることから、航空の歴史を記念し航空技術の振興を願うべく、様ざまな行事が実施された。初年は九月二十八日に行われたが、翌昭和十六年(1941)からは九月二十日となった。九月二十日が統計上晴れの多い日であることから選ばれたという。
終戦後、連合軍によって航空活動が禁止されたのにともない航空日の諸行事は休止となったが、昭和二十五年(1950)航空行政権の一部が日本政府に返還され、さらに同二十七年(1952)の航空法施行を経て、翌二十八年(1953)に航空日は復活した。
民間航空再開四十周年となる平成四年(1992)には、より親しみやすい名にということで「空の日」に改称された。
この日、泉州磐船神社では関西国際空港の発展と世界の空の安全を祈念し、また航空殉難者を慰霊するとともに、「航空祭」と銘打って祝賀飛行や餅撒きが行われ、茶席が開かれる。
大きな地図で表示
Commenti / コメント
コメント一覧 (1)
https://blog.goo.ne.jp/esper-hk/e/46fe397e4aacbef9ab92fdb8af7ea93b
コメントする