村社山田神社
堺市立福泉中学校の南、山田公民館に隣接して小さな神社が建っている。北側から境内に足を踏み入れる。左手に一対の灯籠と石鳥居、そして西面する銅板葺屋根の社殿。境内の西半分は児童公園になっている。
天満宮 【てんまんぐう】 | |
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鎮座地 | 大阪府堺市西区山田二丁元禄東94 |
御祭神 | 菅原道真公【すがわらのみちざねこう】 |
創建 | 不詳 |
社格等 | 旧村社 |
別称/旧称 | 山田神社 |
この山田天満宮は和泉国大鳥郡菱木村の枝郷だった山田村の鎮守。
創建時期は不明だが、鎮座地の小字名が「元禄東」ということから、元禄年間(1688~1704)に新たに開かれた土地ではないかと思われ、神社が建てられたのもその頃かもしれない。
明治時代に近代社格制度が始まると村社に列し、山田神社と称した。
合祀と復祀
明治四十四年(1911)、神社合祀政策により、山田を含む菱木一帯の神社は大字菱木字梶山(現堺市西区菱木)の菱木神社に合祀されることとなり、山田神社は廃社となる。一度は祭祀が途絶えたものの、のちに神社は再興される。
境内に昭和五十三年(1978)十月の日付を刻んだ「天満宮落成」の記念碑がある。この時が復祀の時期と思われる。
地元の人たちが大切に守っているのだろう、境内はこざっぱりと整えられ、気持ちが良い。
参考文献:
◇井上正雄『大阪府全志 巻之五』 大阪府全志発行所 1922
◇角川日本地名大辞典編纂委員会(編)『角川日本地名大辞典27 大阪府』 角川書店 1983
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Commenti / コメント
コメント一覧 (2)
常夜燈さん、お忙しい中お疲れ様です!
堺市西区の天神さん。
こじんまりとした神社みたいですが、きちんと管理されているので気持ちのいい境内ですね。
お隣の山田公民館の向こうに山田薬師もあるようですし、神仏を大切にしている土地柄なのでしょうか。
今は福泉中学校のご近所ということで、学問の神様としての崇敬が篤いのでしょうが、
この地に勧請された当時は、もしかしたら農耕の神様としてのご神徳を望まれていたのかも…?
と、「神社検定」の参級のテキストを出してきて読み、考えてみました。
この場所に寺子屋があったとしたら、今と同じく学問の神様として祀られたのでしょうが、
一般庶民の農家の皆さんにとっては、一番はやはり毎年の豊作!だったのではないかと。
火雷天神、天満大自在天神とも称される道真公、天候を司るご神威から、農耕の神としての意味も持ったらしいです。
天神さん、すごいですね!
山田神社が合祀されていた菱木神社も、素戔嗚尊が主祭神で、農耕、穀物に関するご神威を望まれたようです。
http://www.city.sakai.lg.jp/nishi/miryoku/nishiku_miryoku_shiseki/fukuizumi.html
やっぱり、豊作!は大事ですよね。
久しぶりに以前のテキストを出してみて、わりと内容を忘れていることに気がつきましたw。
うーん、少し復習しないと…。
学問の神様である天神さんに、勉強のアドバイスをされた気分ですw。
いつもありがとうございます。
>神仏を大切にしている土地柄なのでしょうか。
この辺りもだんじり祭が盛んですので、神社が身近なものになっているんでしょうね。
地図で「山田薬師」となっている建物、実はだんじり庫だったりします。
泉州では昔、農耕の神として牛神様の信仰が盛んでしたが、これは天神信仰と結びついたふしがあります。道真さんの神号「天満大自在天神」「日本太政威徳天」の由来である大自在天と大威徳明王はどちらも牛に乗ってます。
さらに菱木神社の御祭神スサノオと同一視される牛頭天王も牛神と関わりがあるようです。
天神信仰は奥深いです。
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