フィギュアスケートの羽生結弦選手と名前が似ているということでファンの聖地として一躍有名になった神戸の弓弦羽神社は、御影の閑静な住宅街の中に鎮座する。

◆弓弦羽神社 鳥居
弓弦羽神社 鳥居

弓弦羽神社
【ゆづるはじんじゃ】


鎮座地: 兵庫県神戸市東灘区御影郡家二丁目弦羽ノ森9-27

包括: 神社本庁

御祭神:
伊弉册尊【いざなみのみこと】
事解之男命【ことさかのおのみこと】
速玉之男命【はやたまのおのみこと】

創建: 嘉祥二年(AD849)

創祀: 神功皇后

社格等: 旧村社


◆弓弦羽神社 拝殿
弓弦羽神社 拝殿

 熊野三山の神、すなわち伊弉册(那智社)・事解之男(本宮)・速玉之男(速玉社)を祀り、根本熊野三所大神と称する。

 神功皇后は三韓征伐からの凱旋の途次、香坂皇子【かごさかのみこ】と忍熊皇子【おしくまのみこ】の兄弟が挙兵したとの報せを受ける。両皇子は神功皇后の夫である仲哀天皇(既に崩御)と大中姫命との子で、皇后が陣中で誉田別尊(のちの応神天皇)を生んだことを知り、幼い異母弟が皇位を継ぐことを阻止せんと反乱を起こしたものだ。
 皇后はこの地に弓矢・甲冑を埋納して熊野大神に祈念したところ、戦に見事勝利することができた。
 弓矢を納めたことから神社背後の峰を弓弦羽嶽と称し、また武具を納めたことから武庫山とも、あるいは六領の甲冑を納めたということで六甲山とも称す。また御影の地名も、皇后が化粧のため「澤の井」と称ばれる泉に姿を映した故事により名付けられたという。澤の井は阪神御影駅の近くに現存し、今も澄んだ水が湧き出している。
 のち延略年間(782~806)にこの弓弦羽の森が神領地と定められ、嘉祥二年(849)社殿を造営し改めて熊野大神を勧請した。
 これが神社に伝わる由緒だ。神戸周辺には神功皇后創祀の伝承を持つ神社が数多くある。

◆弓弦羽神社 本殿(瑞垣の向こう)
弓弦羽神社 本殿

 緑溢れる社域は静かで清清しい。
 隣接する香雪美術館との間にある石畳の径もまた良い。西側は神社の森、東側は美術館の庭園。樹樹の緑と鳥たちの声に囲まれてゆっくり歩けば、日日の喧噪からしばし解き放たれる。

◆弓弦羽神社 御朱印
弓弦羽神社 御朱印



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